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前に向かって  NO 3289

 過日に生野区仏教会が主催された若い女性住職のコンサートだが、今朝の関西テレビの「よ~いどん」の中にある「隣の人間国宝」で、月亭八光さんが奈良県の町を訪問しながら、彼女のお寺に立ち寄り、本堂でギターを演奏しながら歌われる光景が流れ、その明るい笑顔が素晴らしく、今後のコンサートのご活躍を願うと共に、ご布教に関して多大なプラスになるような思いを感じていた。

 月亭八光さんとはあるテレビ番組でご一緒した。闘病生活から退院してからすぐで、まともに喋られる状態ではなかったが、会社側で依頼を受けてしまったのでどうにもならず、恥ずかしいほどおかしな声が画面を通じて放送され、病気のことを知らなかった方々が心配くださって多くのメールや電話を頂戴することになった。

 その頃から比較すれば随分と戻ったみたいだが、何分にも声帯が一方だけしか機能していないので最高に戻っても50点以下。過日の講演ではないが、初めて私の声を耳にされた方々は、それが私自身の声と思われただろうと想像している。

 それは仕方がないことだが、発病前の声は全く異なり、日本一の葬儀司会者としてテレビ番組で何度も紹介され、偶然に視聴された方のブログに「声に癒された」なんて書かれていた事実があったので残念である。

 人間は、何時何処でどうなるかは分からないもの。ある瞬間から身体の様々な機能を失ってしまうのだから残酷な試練だが、負けずにそれを乗り越える努力も大切。私の場合にはまだ恵まれていたとも言えるし、それでも自身に課したリハビリメニューは半端じゃなかったので現在に至ったと自負している。

 源ヶ橋交差点の横断歩道で信号を待っていると、「久し振り」と声を掛けられた。暗い中でお顔を確認すると近くの専門学校の先生で僧籍を有される人物。友人の経営していた喫茶店の常連のお一人だった。

 私がこんな病気を患ったことはご存知だったが、想像以上に回復していた状況に驚かれたようで、「幸運だったね」と慰められた。

 周囲の人達に病気の体験話をすることも大切なこと。それで健康に留意されるようになった方々が多くおられるのが嬉しいこと。これからも出来るだけ積極的に努めたいと考えている。

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