他府県に在住する友人からメールがあった。過去に来阪した際にリッツ・カールトンの宿泊を勧めており、今回の食材問題が残念だという内容だった。
ホテルの「一流」と「超一流」の違いには、後者に至るには不便な立地が条件という不思議な事実が秘められている。駅に直結や近い場合には待ち合わせに利用され、本来の利用者から「環境が悪い」という声が出る。
辺鄙な立地だと待ち合わせが間違いなく少なくなり、宿泊、食事、披露宴、パーティーなどホテルが求める客達が中心となるからだ。
リッツ・カールトンは大阪駅直結の立地になっているが、待ち合わせの場所として相応しくない環境が敢えてイメージされており、曲がった廊下やこじんまりとしたフロントロビーなども考えられているようだ。
今回の謝罪会見のニュース映像を観ながら気になったのは、アジア地区担当という中国人らしき人物の態度。並んで頭を下げる前まで手を後ろに組んだままだったので考えられなかった。
こんな姿勢があるから問題が生じたのだと指摘したい思いで、勧めて利用した有人や知人達の心情を想像すると残念至極と同時に腹立たしい思いを抱いてしまう。
そのブランドは高級ホテルの代名詞みたいになっていたことから、急降下した信頼を取り戻すにはかなりの時間を要すると思うが、外国人である総支配人が何度か発言していた「紳士淑女」という言葉も気になった。
「お客様は紳士淑女である。その対応をする我々スタッフも紳士淑女でなければならない」というような発想が「クレド」にあって重視されているようだが、食材に関して誤ったメニュー表示をしてしまい、ヒューマンエラーということで解決するのは無理なこと。超一流ならそれ相応の対応が求められる筈と指摘したい。
これまで全国各地の多くのホテルから招聘されてスタッフ教育を担当した歴史があり、昔からホテルの語源であるラテン語の「ホスピターレ」について触れ、ホスピタルやホスピタリティーについても講義したが、葬儀に携わる仕事はホテルマン以上の資質が求められ、世の中の仕事で葬儀という仕事が最もホスピタリティーを求められると話したら、受講した彼らはみんな驚いていたが、講義が終わった頃にはその意味を感じて貰えるに至っていた。
お客様から指摘されることはプロとして恥ずかしいこと。スタッフ全員が羞恥心を共有することこそ大切なことで、今回のような不祥事は最悪で恥ずかしいことだと理解して欲しいものである。