何事も進化することによって社会が便利になると、それに伴ってリスクが生じることも世の常であり、IT社会の到来はその裏面で深刻な問題を秘めていると考えなければならないようだ。
パソコンの遠隔操作が事件として発覚していたし、ネットバンクの不正アクセスによる盗難被害が出ているし、ネットの閲覧ページにウイルスが仕掛けられている危険性も常識みたいになって来ている。
ネットでクレジットカードを使用するなという指摘も少なくないし、個人情報の漏洩問題が日常茶飯事のように起きている現代社会だが、そんなことになったら最悪となる危険性が指摘されている事実があるので考えてみたい。
来月から国内線の機内で、微弱な電波を発信する程度のスマホの利用制限撤廃が浮上している。また、機内でネットに接続可能なランシステムも導入されるケースが増え、空の旅もこれまでとは違った楽しみ方で過ごせるので歓迎されているが、一方に、「Wi-Fi」などで航空機の操縦席のプログラムへ侵入する可能性も皆無ではなく、そこに想像もしない危険性が秘められていると指摘する意見も出ているのである。
テレビのCMを観ていると自動車メーカーが危険を察知して自動に停止する機能や、交差点の信号機に情報発信機を設置、その情報を受診した自動車が自動運転される研究も始まっているし、車線を感知しながら食み出さないように走行してくれる優れものも実際に現実化しているが、これらにも前述した危険性があることは否めず、よほどしっかりしたセキュリティシステムを導入しなくてはいつ事故に遭遇するか不明なので恐ろしいことである。
スマホから家電を機能させる技術も進化している。湯沸かし器を作動させて風呂の湯を貯めておくことも可能だし、エアコンのスイッチやストーブのスイッチなどが外で可能となればそれを他人が意図的に侵入して遠隔したらどうなるのだろう。火災の発生などは簡単に出来るかもしれないので恐怖感を覚えるし、使用する人間の教育の進化が出来ていなかったら社会が混乱を来すのは当たり前である。
どんな世界にも「いたちごっこ」という言葉があるが、この問題は特に危険性があるところから二重、三重のガードが求められるであろう。
忘れてはならないことは、何かが誕生して便利になったら、それを研究発明した人が存在するという事実。どこかで人間性に変化生じれば想定外のことが起きることも考えられることになる。
便利な社会は危険がいっぱいということを理解しておきたいものである。