もう30年近く前のことだが、世の中に自動車電話が登場。まだ携帯電話のない時代だったが、これは便利だと申し込んで設置して貰ったが、保証金20万円、月額使用料3万円、通話料6秒10円には驚かされた。
火葬場に随行する専用車だったのでお寺さんや喪主さんが利用されることは多かったが、前にも書いたミステリーなことが今でも理解出来ないでいる。
現在の携帯電話の画面にも出て来るが、電波を受けている状況を表示するグラフだが、自動車電話で考えられない不思議な出来事が起きていた。
それは瓜破斎場の入り口から「圏外」になることで、同じことが長柄の北斎場でも起きたので「あの世」と「この世」の結界なんて想像していたこともあった。
そんな自動車電話で110番をしたことが2回あった。3日間長島温泉のホテル「花水木」で行われた研修会に毎日往復した際の体験だが、参加者全員が宿泊していたのに私は仕事の関係から宿泊せずに車で往復することを選択。午前6時に大阪を出発。現地を午後8時に出発して10時過ぎに帰阪することを3日間続けた。
その3日目の出来事だったが、奈良県の天理付近から猛烈な雨となり、名阪国道はワイパーをフル作動にしても前方が見難い状況になっていた。
三重県から滋賀県に入って上柘植インターを過ぎた地点だった。反対車線でワゴン車がスリップして横転したのを目撃、すぐに110番をしたら滋賀県警につながって事情を通報した。
そこから加太トンネルを通って関、亀山を過ぎても強い雨が続いており、四日市のすぐ手前で軽自動車がスリップしてガードレールに激突した所を通り過ぎ、すぐに110番をしたら「三重県警です」と言われて事情を通報したが。道路脇の距離表示の数字を伝えたので「助かります。気を付けて」とお礼を言われた。
その後に110番したことがもう一度ある。10年ほど前のことで、夜間の中国自動車で佐用の辺りだった。右カーブで路面に何か大きな物が横たわっている感じで、瞬間的に避けたが、少し端を乗り上げた感じがした。
もし「人」だったら大変だと、1キロほど走った所にあったパーキングエリアに入って携帯電話で110番。「道路公団に連絡をして確認しますのでそこで待機してください」と指示された。その時の不安な心情は2度と体験したくないものだが、5分ほどすると1台の軽自動車がやって来て、中から降りた若い女性が何かフロント部分を確認しているよう。そこで自分が体験したことを話すと彼女も同じ思いをしており、110番したことを告げると結果が判明するまでここにいますとなった。
警察からの電話は掛かって来ない。イライラしながら待っていたら道路公団の人から電話が入り、何処かのインターチェンジの料金所で大型トラックの運転手が道路上で動物を撥ねたと報告があったそうで、その確認に現場に向かっているそうで間もなく判明するとのことだった。
それから数分後、今度は警察から電話があった。「道路公団から確認の連絡がありました。大きな鹿だったそうです。出発されても構いませんので気を付けて」ということで彼女の車も一緒に岡山方面に向かって走り出した。