遠方から2人の女性が来阪。一人は持参されたパソコンでオリジナル製作されたDVD作品を見せてくれた。それは、故人の人生をドラマチックに編集した内容だったが、奥様やご家族に残された言葉や、お母さんへの親不孝のお詫びや皆さんへの感謝のメッセージの文字紹介も入っていた。
制作を依頼されたのは奥様だったそうだが、ご主人がお好きだったと選曲された歌詞がそのまま人生を物語るような内容だったのでびっくりし、中々の秀逸作品として感想を伝えておいた。
それぞれが各地で様々な企画に取り組み、日々に進化してくれているのは嬉しいことだが、自分達で創作中という「HP」の一部を見せて貰って「ここまでよく頑張ったね」と褒めてやりたかった。
夕方から3名で大阪らしい場所へ食事に行った。街は土曜日なのかもしれないが、どこも人が溢れていっぱい。偶々目的の店に空室があったのでホッとしたが、ハルカスの影響からか、阿倍野という地域が想像以上に賑わっている事実に驚いた。
それぞれが葬儀という仕事に従事しているプロである。会話もそれらしい内容で、最近の葬儀の傾向や今後の展望についても語り合った。
深いご仏縁に結ばれる葬儀社のトップが問題提起していた内容に興味を抱いた。「通夜や葬儀に参列した際にお茶のサービスやお手拭きのサービスは不要では?」という方がおられたそう。
どこでも当たり前のように行われているサービス提供だが、こんなご意見があることも知るべきだろう。
施主側からすれば「当家や個人のために来てくださるのだから徹底しておもてなしを「というお考えがあるのも事実。どんな仕事の世界にもすべてのお客様が一致して求められるサービスとは難しいもので、そこに様々な個性や感性が存在するものである。
今日の会話の中に「お手拭き」についての話題があった。ご焼香の前に少しでも手を綺麗にしていただければと提供するものだが、お客様の中には焼香を終えた後に出して欲しいと言われる方もおられるのである。そのお考えの一部には「焼香」の「香」の香りを嫌われることもあるのだが、さすがに「香」自体に穢れを感じる方はおられないようだ。
今日の結びに奈良県の山間部で様々な農産物や花を栽培している友人が食べさせてくれた夏みかんのことを。「これ、甘いから」と出された物の味は生まれて初めて感じた夏みかんの感触。「これが現物」と見せられた物はあちこちがゴツゴツしており絶対に果実店の店頭に並ぶことはない代物。間違いなく自然環境に実った物だが、販売目的で作られた物とは全く別の感じ。こんな自然を「見てくれ」だけに変化させてしまった人の世の行為を改めて考えさせられることになった。