「幸せ列車」のコラムでは、ご自宅で行われていた葬儀にサイレンを鳴らした白バイがやって来た出来事を書いたが、果たして何が起きたのだろうか? ご興味があれば「幸せ列車」で検索いただき、私の「各駅停車」のページでご笑覧を。
世の中には不思議な偶然もあるものだが、これはひょっとして「必然では!?」と思った出来事を体験したことがある。
深夜に掛かって葬儀の依頼の電話。私自身がそのご自宅に参上して打合せを担当することにしたのだが、ご当家のお名前は滅多にない「珍名」さん。偶々次の日が友引だったことから2日後のスケジュールで進めた。
次の日の朝、遠方から葬儀の依頼電話があり、これも滅多にない「珍名」さんだった。
そんなお客様のお名前を「珍しいですね」と言って飾り付けの設営に参上したスタッフが「信じられないことです」と興奮の様子で電話連絡をして来た。
ご両家とも滅多にない「珍名」さんなのに、お隣が同じもう一軒の「珍名」さんと同じ。また、もう一軒の方は斜め向かいのお家が同じ「珍名」さんだったからだ。
ちょっとご理解し難いかもしれないので別掲として説明するが、「A」さんのお隣が「B」さんで、「B」さんの斜め前のお家が「A」さんだったということで、こんな不思議なことがと社内でずっと語り継がれた出来事となった。
多くのお葬式を担当させていただいた中には忘れられないことも多いが、あるお寺の檀家総代さんのお家で葬儀を担当することになったのだが、旧家であるご当家の建物が文化財として指定されており、幕を張るのに押しピンを一切使用出来ず、先に大工さんに枠組みをして貰ってから設営した。
また、新築してから間もない立派なご自宅での葬儀、押しピンの痕跡を残したくないので枠組みをしてから設営しますので少し時間の猶予をと申し上げたら、「親父が建てた家です。親父の葬儀ですから痕跡は気にしないでください。それを見て親父のことを思い出しますから」と言われたので驚いたが、それはちょっとと願い下げを申し上げ、枠組みしてから飾り付けをしたこともあった。
古いお家にご多数のご親戚が来られ、床が落ちた出来事は何回も体験しているが、古いお家では襖や扉が外せないことも多く、飾り付けの時には必ずジャッキを持参していたものである。