京都の福知山で開催されていた花火大会で、屋台のプロパンガス爆発が起こり、多数の負傷者が出ているニュースに衝撃を受けたが、どこで災難に出遭うか分からず、本当に今日あることに手を合わそうという気持ちになる。
日付が変わる前のニュースでは58人の方が病院へ搬送されたと伝えていたが、一部の情報によると、発電機に燃料を入れる際に引火し、近くにあったプロパンガスのボンベの爆発を誘引したようであり、今後はその取扱いに関して厳しい制約が課されるかもしれない。
毎年夏になると海や川での事故が伝えられる。全国のあちこちで悲しいお通夜や葬儀が行われていることになるが、行く前にまさか自分がとは予想だにしていなかった筈で、事故とはいつも予想外、想定外という隙間に悪戯のように発生するのが恐ろしいのである。
青春時代の夏のこと。十数名で琵琶湖に出掛け、到着と同時に水の中へ入ったら、大きな声で地元のオジサンから説教されたことがあった。
「無茶をしたら危険だ。君達が死んだらお父さんやお母さんがどんなに悲しまれるか考えたことがあるか。いいか、琵琶湖の水の恐ろしさを教えてやる。
そう言われて全員が改めて水の中に入ったが、そこで教えてくださったことが腹部や胸部で感じる水温の違い。それらは琵琶湖に流れ込む川の水温によって変化が生じていることを体感することになった。
胸部だけがびっくりするような冷たさを感じることもあり、それが原因で心臓麻痺に至るケースもあるそうでゾッとしたが、みんなでオジサンに感謝したことを憶えている。
全国各地でゲリラ豪雨と呼ばれる現象が頻繁に起きている。これらは下流で川遊びをしている人達にとって何より危険なことである。上流の方で黒くなったら増水の危険があるというのは常識だが、その量が半端じゃなく、急に増水する危険性があるので気を付けたい。
こんな仕事をしていると様々な事故のご不幸の葬儀を体験している。山や海の遭難もあったし、交通事故は数え切れないほど担当させていただき、その悲惨で悲しい光景は担当したくない世界で、葬儀の仕事に従事していると自身が被害者や加害者になりたくないと神経質になってしまう。
一日に全国で3000軒を超える葬儀が行われ、その夜に同じぐらいのお通夜が行われている。その中には事故や事件の被害者も存在するだろうが、誰もそんなことを想像していなかった筈である。
孤独死という悲しい実態もあるし、だれにも看取られることなくこの世を出立する寂しさ悲しさは筆舌に堪えないことだろうが、何度も入院体験のある私にとって、病院の白い天井を目にするだけでも不幸でないことを学んだような気がしている。