太平洋上で発生した台風30号が、900ヘクトパスカル以下の猛烈な勢力でフィリピンに上陸。最大瞬間風速で90メートルに近い状況を伝えるニュースに衝撃。地球環境に大きな変化がと心配していたら、東北で竜巻の発生や北海道で台風並みの突風が吹いたニュースもあった。
札幌にも例年より遅い初雪が降り、郊外にある中山峠で積雪となっている映像も流れていたが、我が大阪は「小春日和」の一日だった。
しかし、明後日の日曜日は荒れ模様のようで、お葬式に来られる方々のことを心配している。
テレビのCMに使用されている曲にびっくりすることがある。「威風堂々」が流れることも多いし、ホルストの惑星から「ジュピター」が使われていることも少なくなかった。
トヨタの車のCMにアンドレ・ギャニオンの「めぐり逢い」が使用されているし、最近ではホンダのオデッセイのCMに懐かしい映画音楽が活用されている。
「ボーンフリー」、自由に生まれると訳して「野生」となるが、映画「野生のエルザ」の主題曲だったので懐かしい思いがした。
どんな環境にも音楽の持つパワーは際立ち、どこでも不可欠と利用されて来た歴史があるが、それらは映画やドラマの情景に流れるBGMは勿論、列車や電車の中のアナウンスを知らせる役割も担い、劇場の「1ベル」みたいな存在とも言えるだろう。
葬儀に使用される音楽の歴史は興味深いが、遠い昔、ナレーションのBGMの用いられていたのは尺八。そこから「琴」と「尺八」に進化、やがてクラシックに至った訳だが、葬儀用の音楽を作曲家に依頼すると「暗い」旋律が多く、何度も「優しさ」「慰め」「癒し」をキーワードにとお願いした思い出がある。
そんな人生の中で一人の女性と出逢い、彼女の感性にシナリオを描いて作曲を依頼して完成したのが「慈曲」で、そのCDが世に出た時の喜びは感慨一入であった。
彼女とは北海道から九州まで全国各地の仕事でご一緒したが、その演奏秘術は彼女ならではの世界。長さの不明な弔辞のBGMでは途中で作曲をしながらクリアされ、終わりが近い言葉を耳にすると原曲に戻り、奉呈者が席に戻られると同時にエンディングを迎えるのだから天才としか言えないレベルだった。
「独り言」のある高級葬儀のHPには、そんな慈曲の一部が視聴出来るページがあるのでご興味があればどうぞ。