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体験から  NO 3476

携帯電話もポケットベルも登場していない時代のこと。地方の友人や同業者が来社するという場合、最寄り駅である大阪環状線の寺田町駅ではなく桃谷駅で待ち合わせることが多かった。

どちらの駅からも弊社までタクシーならワンメーターの距離だが、寺田町駅には改札口が二箇所あり、桃谷駅は一箇所だったので間違うことがなかったからである。

九州から来社される人物と寺田町駅で待ち合わせたら、国道25号線側の表駅ではなく、天王寺駅寄りの裏駅側に降りてしまったことから随分と時間のロスが生じた出来事があった。

今なら携帯電話で確認すればすぐに解決だが、当時は会社の電話を中継しながら互いの位置を確認しなければならず、擦れ違いや行き違いという問題に泣かされたことも懐かしい思い出となっている。

いつも歩数を計測出来る携帯電話を所持しているので大凡の距離が計算可能だが、弊社の西館から寺田町駅まで約600メートルとなっているので足の速い人なら10分も要さない距離であり、その内の大半が商店街なので雨天の場合には便利である。

さて、杖を手にすることになってから約5年目を迎えるが、あちこちに出掛けて駅の設備に問題があることも体験することになった。

まずは手摺の太さが駅によって異なっているし、中にはホームから降りるのに3段分ぐらい手摺が存在していないところもあった。

また、材質も金属、木材、プラスチック系とあり、寒い時期に握るとびっくりするほど冷たい現実を知らされる。

上述の寺田町駅にも問題がある。表側の改札までの途中に手摺のない部分があるし、裏側
の改札口には3段ぐらいの階段に手摺がないので不便である。

また、寺田町駅の外回りのエレベーターでホームに上がると、ホームの一部が狭くなっており、フラフラする人には危険という状態になっている。

今日、ある駅のホームで電光掲示板に流れる文字を見ていたらびっくりする表記があった。スマホを見ながらホームを歩くのは危険で他のお客様に迷惑が及ぶのという啓蒙的内容だったが、その電光板の下をスマホ片手に歩く人が10人ぐらいいたので改めて恐ろしくなった。

そんなスマホのナビを確認しながら車を運転し、自転車の人に衝突して死亡させてしまった悲しい交通事故が東京で発生していた。スマホという文明の利器が登場していなかったら互いが加害者、被害者になることはなかった筈。ちょっとした心の隙間に取り返しのつかない責任問題が生じる恐ろしさも知っておきたいものである。