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ある会話から  NO 3275

 昨日は、好き勝手を書いている駄文の列記型コラムをこのブログ意外に3本発信することになった。高級葬儀の「独り言」ではバスの車内で感じた人の世の温かさに触れ、帰路に大阪環状線車内で体験した女子高校生の驚きの行動を。そして「幸せ列車」のページでは秋から運転されるJR九州のクルーズトレイン「ななつ星」と昔のフェリーの航路について書いていた。

 商店街を歩いていると知人に会って呼び止められた。弊社の本館で行われていた葬儀の会葬に行かれたそうだが、女性司会者の司会に感心され、特にナレーションについて賛辞お言葉を頂戴した。

 それは、私自身が何より嬉しいことだが、「なぜ他の葬儀社と違うの?」と聞かれて瞬時に「プロだからです」と答えてしまい、恐縮しながらお別れしてからおかしな返答をしてしまったと反省をした。

 彼女は誰もが認める輝かしい歴史を持った一流のプロである。私が司会者に求めて止まない「品」についても深い理解を示してくれているし、「気品」から「貴品」への話をした時も真剣な表情をしていたので期待と信頼を寄せていたが、不思議なご仏縁から現在に至っている中に、私が大病を患って大変な重責を担ってくれていることに手を合わせている。

 様々な分野それぞれに「匠」と称される人物がいるが、ある和食の料理人とお客さんとの話が面白くてじっと聴き入っていたことがあった。

「この出汁の味、最高ですね。かつをと昆布も厳選されているだろうし、そこに何か隠し味を加味されているのでしょうね?」

「具材はもちろん厳選していますが、最終的には私の感覚と体験が全てです。美味しくないと思われるお客さんには来て欲しくないのです」

「と言うことは、私は歓迎される客ということになる訳だ」

「私の味をご理解いただけるお客さんは心から歓迎します」

「でも、一方通行で自己満足ということにはならないのですか?」
 お酒の影響も出て来たみたいで、ちょっと過激な言葉から第三者としては心配になりつつある時、料理人は次のように返した。

「定休日はあちこちの料理を食べに行き、自分なりの勉強をしていますが、これまで私以上の出汁を味わったことがありませんので、めぐり逢うまでは私の味が最高だと自負することにしています」

 そう言われて次の言葉が出なかった相手だが、猪口を差し出して「気に入った!」に続いて大きな声で「乾杯」と言われ、私も一緒に乾杯した。