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思い出したハプニング  NO 3574

「幸せ列車」のHP内「各駅停車」のコラムで書いていた中で、昨年の7月7日から始めている「小説 女将シリーズ」も10か月を迎え、先月に発生した熊本の大地震に関する内容も書いていたが、女将夫婦が真珠婚の記念でオーストラリアに出掛ける内容連載をしたら楽しみにされている方々が多く、びっくりするメールが届いたので手を合わせながらこのストーリーをもうちょっと長く続けようと考えている。

振り返れば10か月となると「300本」になる。微熱が続いて数日休載したこととメンテナンスで2日間休載したことがあるが、それ以外はずっと続けており、何度か書いたように毎号完結の物語なので主人公となる女将の名前で苦労していたことは皆さんが想像される以上に大変な重圧で、出来るだけ同じ名前が登場しないようにして来たつもりだが、最近は中には重なった名前もあったのではと考えるようになった。

あまり「若女将」を主人公にしていないが、近い将来には若女将を中心にした物語も書きたいと思っており、少し若くなるので名前も枠も広がることになるが、最近に流行のキラキラネームはやはり無理である。

ホテルを利用するより旅館が好みだったので多くの旅館に宿泊した体験があるのでシナリオには困らないが、女将の日常の業務の中で発生するハプニングの対応もあるので様々なサービス業にも参考になるというメールもいただいた。

葬儀という仕事で想定外のハプニングに遭遇したことは数え切れないほどあるが、ハプニングをハプニングでないように解決するのがプロの仕事で、宗教者、遺族、参列者の誰にも気付かれることなく対処した信じられない出来事もあった。

今のようなCDでない時代、ナレーションを吹き込んだカセットテープを流そうとしたら音響機材のテープ機能が動かず、頭の中が真っ白になったが、導師と打ち合わせしていた式次第を急遽変更するお願いをしてから約5分の猶予時間で対処したが50メートルほど離れた所に駐車してあった車のデッキを使うことで、いつも携行していた好感度のワイヤレスマイクの水銀電池を入れ替え、ハンカチで口元を隠して参列者の中を通ってコメントをしながら車に到着、ダッシュボードのスピーカーから流れる音をマイクで飛ばしたらうまく対応することが出来、スタッフが「OK」の仕種をした時の光景は今でも忘れられないものである。

その葬儀は随分と遠くで弊社のエリア外であった。大きな敷地のご自宅で行われていた大規模な葬儀で、導師を務められたお寺さんとも初めて出会ったことから特別に神経を遣ったのにこんなハプニングが発生するとは想像もしなかったことだった。

ご出棺してから原因を調べて発覚した事実に衝撃を受けた。その葬儀の祭壇を設営していた部屋に変圧器を持ち込んで照明の変化も可能という環境にしていたのだが、その変圧器のダイヤルを幼い子供さんが触ったみたいで随分と目盛りが下がっており、デッキのテープが機能しなかったことが判明した。

そのコントローラーは幕の裏側にセットしてあったのに、退屈された子供さんが幕を捲って隠れた際に見つけたみたいで、まさかそんなことになるとは考えてもいなかったことだが、その後はより以上に最悪の想定を考えることになったのは言うまでもない。