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社会への還元  NO 3312

 我が大阪の生野区を代表する企業と言えば「ロート製薬」だが、胃腸薬と目薬で知られた会社が女性の化粧品などグローバルな分野に取り組み、今や単なる製薬会社ではないほど発展進化の道を邁進している。

そんなロート製薬が発起人となり、東日本大震災で親を亡くした子供達の為に基金組織を立ち上げ、「カゴメ」と「カルビー」が賛同して大学受験や授業料などの支援を行っており、今では賛同した多くの企業が参加、料理の専門学校に通う学生達などへも支援を続けている。

 企業とは社会の中で何か貢献が出来る行動をすることも求められる立場で、様々な業種の様々な会社が社会貢献を理念に掲げて活動しているケースもあるが、冒頭の3社は、他社が継続出来なくなっても続けるという強い信念を共有しており、実際に支援を受けている生徒や学生の皆さんから高い評価と感謝の言葉が生まれているので心から拍手を贈りたいものである。

 あるミュージシャンの方とティータイムを過ごした。輝く歴史を有されるラテン歌手で、テレビドラマの主題歌を歌っていたこともあり、不思議な縁で随分前から交流があったのだが、70代後半を迎えられたことから一念発起されたそうで、海岸に打ち上げられるプラスチックなどの回収に取り組む活動を始められることを知ったが、その本気度と熱い情熱に驚嘆。コンサートで10数曲歌われても豊かな声量なので驚いたこともあったが、そのバイタリティあふれるボランティア活動への取り組みには賛辞の拍手を贈りたい心情になり、10年も若い私も大いに触発されることになった。

 今、東日本大震災の津波を原因とする漂流物が問題になっている。太平洋の海流に乗って対岸のカナダやアメリカにまで到達しているそうで、現地でもその対策に苦慮しているニュースもあった。

 彼は、そんな現実問題も教えてくれたが、その漂流物がまた日本の海岸に戻って来ると分析されていることにも触れ、また知らなかったことを学ぶことになった。

 社会貢献という言葉をあちこちで見聞きするが、山村の隅々まで宅配される運輸会社の存在を考えてみれば、コストという面からすれば完全な赤字となるだろうが、そこに「お互い様感情」が大切に残っているからこその対応だと感謝したいものである。

 鉄道やバス路線でも赤字が長引けば廃線になったり、住民のために第三セクターとして存続するケースもあるが、高齢者が病院へ通う交通手段がなくなるのはお気の毒である。

 北海道の江差線の撤廃をニュースで知ったが、これによって不便となる人は多いと想像する。北海道で工事が始まっている新幹線も、函館駅が現在の場所と全く別の場所になるので地元の軋轢も生じているよう。北陸新幹線の駅名で「上越妙高駅」という発表があったが、「上越」から「上越新幹線」と誤解が生じるのではとの意見も出ている。

 新線や駅名は地元にとっては大問題。十分な議論が不可欠であろう。