マレーシアで「TPP」の会合が始まっている。参院選の争点の一つとなっている簡単ではない問題だが、果たして我が国の今後の動向はどうなるのだろうかと心配をしている。
ネットの中で、あるブロガーのコラムを読んでいたら、初めて知った問題に触れておられた。内容に「TPP」という文字があるので冒頭のことだと思ったら、全く別のことだったので驚いた。
それは「トータル・パーソン・プログラム」の頭文字で、スポーツ選手に対するアメリカ国内で常識となっている「人格形成プログラム」のことであった。
スポーツの世界で恵まれた才能が認められると、「文武両道」を重視し、選手としてどうあるべきかの教育を受け、現役を離れてからのことまでを含め、ファンやメディアへの対応についても学ぶことになるそうで、過日に新聞やテレビで残念なニュースとして話題を呼んだ過去の甲子園球児であった準優勝投手の犯罪を例に挙げられて書いておられた。
我が国では「**馬鹿」という言葉が飛び交うように、文武両道とはなっていないケースも多々あるようだ。現役時代はそれで許されるかもしれないが、引退後から晩節を過ごすまでの方が長くて大変だろうし、こんな外国の優れたシステムは参考にするべきだと思ってしまう。
アメリカにはスピーチライターというプロが存在する。例えばプロゴルフのトーナメントで最終日に優勝を争う立場になると接近して来てアポがあると聞く。
「明日、もしも優勝した際には次のようなコメントを」なんて有料でアドバイスをしてくれるものだが、それでイメージアップにつながり、スポンサー契約が生まれたらそれこそ有り難い話で、結構重宝されている仕事だそうである。
そんなアメリカにそれによく似たプロの存在がある。プロスポーツの世界で選手が注目され始めた頃、「あなたも私を必要とする選手になった」と接近して来るもので、それこそ前述の「TPP」につながる存在のような気がする。
プロスポーツの世界でスピーチの重要性は当たり前の話である。最近では国民栄誉賞での松井選手の言葉に好印象を抱かれた人も多かったと想像するが、強い、優れたというものはプレーだけではなく言葉遣いという礼節や品格も考えたいもので、対照的に分かり易い例としてあるボクシングの選手ということになるだろう。
かつて大阪で世界戦を行った際に、リング上で我が大阪の知事と市長が国歌を斉唱された光景を思い出すが、交友があるなら言葉遣いの重要性ぐらい教えて欲しいと願ってしまい、同時に失言の恐ろしさも伝授されたらと伝えたい。